詩を教えることについて   1/2/3/4    歴史社会特別授業      歴史観      ホームページ・トップへ

池田晶子レクイエム
    ―もうこの世にいない君へ






君は現代のドンキホーテだな

現代社会に対し

勝ち目のない戦いを何と果敢に挑んでいることか




精魂こめて、若者に語りかけようとする君の言葉には

君という人間の全存在がかかっている



ああ、しかし、なんと痛々しいことか

君の呼びかけを真に理解する若者が何人いるのだろうか



君の本は、情報化され、だから、みんなが買う

それは君の生活の支えとなる

君はそんなことに負い目を感じる必要はない



しかし、君の本を買った若者たちは、君の本に書いてあることを、君と同じ真剣さでは受け止めない

それに、そもそも書いてあることの意味が分からない

わかろうと努力することもしない

一見読んでいるように見えても読んではいない



せいぜい頭のよいヤツが、

「この人の考え方はこうこうしかじかで、このあたりが入試に出るよ」とこざかしく情報化するだけだ

そういうヤツは

「この人の考え方もわからなくはないけれどね… でも、まあ、こんなことばかり考えていたら、現実には生けていけないよ」

と物分かりのよさそうなことをしゃあしゃあとぬかすだろう



人間の世界はソクラテスの昔からずっとそんなものであったのだ

しかし、僕はニヒリズムをもちだすつもりはない

そんな世界であれ

君という一点にはかけがえのない存在価値がある、と言いたいだけなのだ

君の生きざまは「真の考える人間たる証」であったのだから

君はソクラテスの末裔、その正当な後継者



真実の星よ

永久に輝け




                                      2009/05/24  by鈴木洋純