手紙 1  各手紙を見るには手紙のトップページへ戻ってから、各手紙を選択してください。
              →手紙のトップページにもどる   
                                            ae o



S.Y.様へ(1年生のお母様)

 前略

 

  私が一年生の国語の勉強についてアドバイスできるかどうかについては疑問があり

ますが、いくつか思いつく点について述べてみたいと思います。


 

  第一に、国語のみならず、すべての科目について勉強の習慣をつけることが必要

だと思われます。ただし、その方法は、時間を決めて机に坐らせるというような押
けではなく。お父さんやお母さんと会話をしながら、その勉強の内容を自然に
につ
けていくというような方法が望ましいと思います。塾など通わなくても、三
生ないし
四年生くらいまでは、このような方法で充分に力をつけることができる
思います。む
しろ、無意味に塾など通うがために、かえって成長を阻害されてい
子どもが多いよう
に思われます。「助長」の故事はこのことを表しています。


 

 第二に、音読、書き写し、漢字練習、日記、作文、読書などが、国語力をつけるた
めに
役立つことは確かだと思いますが、これらをただ子どもにやらせようとしても、
効果は乏しいか、むしろ、逆効果になることの方が多いのではないかと思います。



 たとえば、音読であれば、お母さんが上手に読んでやった後に読ませるとか、お
母さんの後をを追って読ませるとか、あるいは、二人で読み比べをするとか、そう
いうふうに子どもにとって楽しい方法を工夫すべきではないかと思います。また、
あまりたくさんの量を読ませることによって子どもを疲れさせるというようなこと
も避けるべきでしょう。



 たとえば、漢字練習であれば、やはりいっしょに練習してやるのが良いのではな
いかと思います。ただ書かせようとしないで、こちらも書くということです。



 たとえば、文章の書き写しであれば、お母さんが音読してやり、それを書き写さ
せるとかの工夫が必要でしょう。



 日記、作文などについても、子どもの話を聞いてやり、それを書かせるというよ
うな方法を採るべきでしょう。また、上手に書かせようとして書いた内容をいじく
りわすというようなことも避けるべきでしょう。



 読書についても、お母さんが読んでやるということも大切だと思います。また、
書いてあ
ることについて、「ころんだのはだれなの?」とか、「どうしてリカちゃ
んはないたの?」とか当たり前のことを質問してやるのも良いと思います。また、
子どもの話を聞いてやり、それが大人の目から見れば、明らかにまちがっているも
のであっても無理に矯正しようとしないというようなことも大切だと思います。



 以上のような方法には、過保護になるのではないかとの懸念がつきまとうことに
なりますが、
子どもの意欲を引き出す限度で親が関わる限り、必ずしも過保護の結
果になるとは言えないと思います。また、コミュニケーションを通して自立の大切
さを教えていくこともできます。

 さらに、勉強以外の他のしつけの面で自立性を養うということもできると思います。

 ちなみに、古いイタリア映画の「自転車泥棒」や「鉄道員」が、親と子の関係、
家族という
もののあり方についてある種の示唆を与えてくれるように思います。


 

 

                                                                                            敬具

 99211                                                       鈴木国語研究所

                                                                             鈴木洋純


各手紙を見るには手紙のトップページへ戻ってから、各手紙を選択してください。
              →手紙のトップページにもどる   
                                            ae o