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友人Yへ
前略
昨晩は楽しい時を過ごすことができました。ありがとう。やや二日酔いぎみの頭でこの
手紙を書いています。
RCサクセションというロックグループのリーダーで「忌清四郎」という人がいます。
ぼくはこの人のことはほとんど知らないのですが、「大学ノートの裏表紙に、サナエちゃん
をかいたの…」という曲がヒットしたのが、1970年ころだったと思いますので、彼はたぶ
んこの名前を20歳前後で付けたのではないかと思います。彼の独特の音楽もさることなが
ら、20歳くらいでよくこんな前をつけることができたものだと、感心させられます。この
名前には、人生というものが死に裏打ちされたものであるっことをしっかりと見据え、人生
を楽しもうという悟りのようなものが感じられます。20歳前後のぼくは、「死」というもの
について何かの本を読んで概念的・抽象的に論じるというようなことはしましたが、自分の
人生や死というものを自分の目で見つめてはいませんでした。当時の自分の議論は、借り物
の知識を用いての傲慢な自己主張を目的とするものに過ぎなかったのです。
しかし、そんなぼくにも最近は人生の意味のようなものが少しはわかりかけてきたように
思います。「一期一会」という言葉の意味もやっと最近わかってきたように思えるのです。
一期一会
―ありがとう さようなら
今日君に会えたから
明日はもう君に会えないかもしれないから
人生のすべての意味を背負うこの言葉だけれど、
気軽に言おう
―ありがとう さようなら
では、また…。
草々
02年8月25日 鈴木洋純
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